保健所の犬 捨て犬

今とても犬が売れている、とドッグトレーナーが言った。
「じゃあ、躾けやトレーニングの依頼も増えて良いじゃないですか」
ところが躾けの仕事は増えておらず、
相変わらず「噛み癖」「ほえ癖」で
手に負えない状態になってからやって来る飼い主ばかりだと言う。

犬の躾けは1歳までが肝心。
大きくなってから治そうとしても中々難しい。

「結局飼い切れなくなって保健所に出してしまうんだよ」と彼は言う。
「保健所に行くと驚くよ、立派な犬しか居ないから。
一時期はハスキー、次はゴールデンばかりだった。
昔のように野犬じゃなくて、飼い主に見放された犬で一杯だよ。
最後まで飼い続ける飼い主なんてほとんど居ないでしょ。
所詮犬はペット。物扱いなんだなぁ」

*  *  *  *  *  *

娘が捨て犬を飼いたいと言って来た。 
携帯の写真を見ると本当に可愛い子犬だ。
飼いたくなる気持ちも分かるが、うちにはトンボという老犬がいる。
この子犬を家族にすることは
年老いたトンボにとって良い事とは思えなかった。

それから1週間近く、娘は毎日餌を持って子犬の様子を見に行っていたが、
ある日子犬の姿はなく、貼紙が残されていたそうだ。
「心配しないで下さい。この子は私たちが大事に育てます」と。
犬

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役に立たない喜怒哀楽

 鉄腕たろう          別名 妖怪オババたとう

Author: 鉄腕たろう          別名 妖怪オババたとう
岩魚(イワナ)と渓流釣りが好きな妖怪。

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